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この設計図は作成の途中です。数字は出典を確かめたものだけを載せ、推測や提案は「提案」と書き分けています。

支え合い

障害のある人の支援(継続支援の見直し)

障害のある人の支援には、「働く場」を用意しているように見えて、実際には福祉の枠の中に留まらせる形になっているものがあります。就労継続支援(A型・B型)は、その代表です。

このページでは、「継続支援」という形そのものを見直して、本人が選べて、働いた分が賃金になり、支えが本人についてくる仕組みを提案します。

どのページも同じ順番で書いています。日本の今 → 困っていること → 改善案 → 比べてみる → 見込めない点 → 実現の道筋。いまの制度は「出発点」であって、「制約」ではありません。世の中の常識や前例に合わせるのではなく、困る人がいちばん減る形を基準に、変える幅も自分で決めて提案します。

1. 日本の今

  • 就労継続支援B型は、一般の仕事が難しい人が、作業をして「工賃」を受け取る仕組みです。令和6年度の平均工賃は、都道府県の公表値で、大阪府が月19,747円、栃木県が月23,818円、北海道が月27,361円です(大阪府、栃木県、北海道)。
  • 就労継続支援A型(雇用型)は、雇用契約を結ぶ仕組みです。同じ年度の平均は、大阪府で月96,516円・時間額1,167円、北海道で月92,082円です。
  • B型の目的は、一般の仕事が難しい人への支援に重点を置くことと、力がついた人を一般の仕事への移行へ導くことです。
  • 障害基礎年金は、2級で年額約84.7万円(月約7万円)、1級はその1.25倍です(令和8年度。日本年金機構の額として報じられた数字)。

2. 困っていること

  • 月2万円前後の工賃では、暮らせません。年金と合わせても、働いた時間に見合う収入にはなりません。
  • 働く時間を増やしても、収入が増えない。工賃は、作業の売上を分けたもので、最低賃金とは別の枠です。
  • 囲い込みの誘因が、仕組みにある。事業所に入る報酬は、利用者の人数や日数と結びつきやすい構造だとされます。利用者が一般の仕事へ移ると収入が減るため、移る支援をするほど損をする場面が出ます。
  • 期限も目標も本人が決めていない。「継続」という名前のとおり、ずっと続くことが前提で、何のために続けるのかが曖昧になります。
  • 働くか働かないかの二択になっている。働けない日がある人、体調に波がある人が、制度の外に落ちます。
  • 暮らしの支えが、働く場と一体になっている。事業所を変えたい、辞めたいと思ったときに、日中の居場所も生活の支えもまとめて失う怖さがあります。

3. 基準

  1. 本人が選ぶ。働くか、働かないか、どこで、どれだけ。
  2. 働いた時間は、賃金として払う。「工賃」という別の枠を作らない。
  3. 支援は本人についてくる。事業所ではなく、本人にお金と権利を付ける。
  4. 生活の保障と、働くことを切り離す。働けなくても、暮らしは成り立つ。
  5. 当事者が設計と評価に入る。

4. 仕組み

1. 生活の保障は、ベーシックインカムと追加給付で

  • 障害年金は、ベーシックインカムと「暮らしの追加給付」に統合します。
  • 追加給付の額は、障害の「等級」ではなく、必要な支援の量と、かかる費用で決めます。本人の申告、本人が信頼する専門家の意見、面談で決めます。
  • 症状が変わりにくい人は、一度の認定で、更新を求めません。波のある人は、更新のたびに「証明」を求められない仕組みにします。
  • 働いて収入が増えても、追加給付は減りません(働いた分は、そのまま手取りの増加になります)。

2. 継続支援(A型・B型)を、全員が「社員」の雇用に統合する

  • 就労継続支援A型・B型という区分をなくし、経済のページの「全員社員・時給」の仕組みに入ります。工賃ではなく、時給で払います。
  • 週に数時間からでも働けます(賃金・社会保険は1時間目から、時間に比例して付く)。
  • 賃金補填:本人の働ける量と、最低賃金との差を、国が事業主へ補填します。事業主は最低賃金(全国一律)を払い、本人の生産性が低い分は国が埋めます。補填は本人の状況に応じて個別に決め、3年ごとに見直します。
  • 職場には、ジョブコーチ(仕事の覚え方、人間関係、体調の相談役)を公費で置きます。期限は本人が決め、「卒業」を条件にしません。
  • 合理的配慮(道具、時間、環境の調整)にかかる費用は、全額を国が補助します。

3. 支援の予算を、本人に付ける(個人予算)

  • 本人ごとに、年間の支援予算を割り当てます。額は追加給付の判定と同じ手順で決まります。
  • 本人が、事業所やヘルパーを自分で選び、いつでも変えられます。事業所は、選ばれたぶんだけ収入になります。囲い込みの誘因が逆になります。
  • 選ぶ手伝いは、なんでも相談所の障害専門の相談員が行います(事業所に属さない立場の人)。

4. 働かない選択を、同じ重さで保障する

  • 日中の居場所(創作、趣味、交流、散歩、休む場所)を、働く場と同じ水準で整えます。利用は無料で、「働く準備」を条件にしません。
  • 働く日と休む日を、本人が決められます。

5. 暮らしは地域が基本

  • 住まい:一人暮らし、グループホーム、家族との同居を、本人が選びます。施設入所は、本人が望んだ場合に限ります。
  • 介助:必要な人には、24時間の訪問介助を、通勤中・仕事中・学校でも使える形にします(仕事の場面で使えない制限をなくす)。
  • 移動:移動の支援を、通勤・通学・余暇に使えるようにします。
  • お金の管理:成年後見制度に頼らず、本人の意思を支える「意思決定の支援」を基本にします。後見は、他に手段がない場合に限ります。

6. 守る仕組み

  • すべての事業所と施設に、予告なしの外部訪問を年に1回以上入れます。調査員には、当事者を含めます。
  • 苦情と通報は、事業所を通さずに、なんでも相談所へ直接できます。
  • 本人のお金(賃金・追加給付)は、本人名義の口座にだけ入れます。他人が管理する口座に入れる運用を禁止します。

7. 事業所を評価する

  • 評価の中心は、本人が決めた目標の達成、支払われた賃金、仕事の続いた期間、本人の満足度です。
  • 評価は毎年公開します。基準を3期続けて満たさない事業所は、個人予算の受け入れ先から外します。
  • 制度の設計、事業所の評価、訪問調査には、障害のある当事者が過半数参加します。

5. 比べてみる

項目日本(現状)提案
働いた対価B型は工賃(平均2万円前後)、A型は雇用全員、時給で賃金(最低賃金)
生活の保障障害年金(等級で決まる)ベーシックインカム+追加給付(必要な支援量で決まる)
支援のお金の行き先事業所(利用人数・日数と結びつく)本人(個人予算)
事業所の変更手続きが重く、居場所を失う怖さがあるいつでも変えられる
働かない選択制度の外に落ちやすい日中の居場所を同じ重さで保障
評価行政の監査が中心当事者が過半数の評価と、予告なしの訪問

他国の制度は、確認できたものから追記します。賃金補填に近い仕組みを持つ国があるとされますが、このページでは出典を確認できた範囲だけを載せています。

6. 見込めない点・副作用

  • B型を急になくすと、いまの居場所を失う人が出ます。先に、受け皿(雇用の場と日中の居場所)が整うまでは、廃止しません。
  • 賃金補填は、悪用や、補填目当ての事業が増えるおそれがあります。個別の認定、本人への確認、事業所の公開が、歯止めです。
  • 個人予算は、選ぶ力が弱い人に不利になりえます。選ぶ手伝いと、意思決定の支援が前提です。
  • 追加給付の判定を「必要な支援量」で行うと、判定に手間がかかり、判定する人の質に左右されます。
  • 賃金補填と追加給付の財源の規模は、まだ試算していません。
  • 障害の種類(身体・知的・精神・発達・難病)によって、必要な支援は大きく違います。ここでは共通の枠組みだけを書いていて、種類ごとの細かい設計は、これからです。

7. 実現の道筋

  • すぐ始められること(運用の見直し):B型の工賃の算定を、時間当たりの賃金に近づける指導、予告なしの訪問、苦情窓口の独立。
  • 法律の改正が必要なこと:障害年金の追加給付への統合、個人予算、賃金補填、A型・B型の区分の廃止。
  • 順序:先に個人予算と相談員を、希望する地域で試し、受け皿(雇用の場・日中の居場所)が整ってから、A型・B型の区分を段階的に外します。導入の順序と安全装置のとおり、実測が基準を満たさなければ、次へ進みません。

※医療・法律・福祉の個別の助言ではありません。数字は都道府県の公表値や報道に基づく概算で、「提案値」は叩き台です。